続・脱力日記

描いたり作ったりしてる人のダラダラ日記

お芝居と集会

あっという間に6月も終ります。
夫の49日も過ぎ、それまで重く濃厚だった時間の流れが少しずつ淡々としたものになってきたようです。
日々泣いて暮らすというわけでなく、つらいほどの淋しさがあるわけでもなく。ただ心の中に大きく居座る不思議な不在感を不可解に想いながらいじくり回している毎日です。
とはいえ、淡々と流れるようになってきた時間の中で、いつまでもそれを眺めたりいじくったりしてばかりもいられません。自分の体と心の具合を確かめながら少しずつ外に目を向けつつある今日この頃です。

 

そんなわけで、今日は外に出てきました。
まずはお芝居!にぎわい交流館AUでの「戦え!ヤルガンガーV」

フライヤーに書かれたあらすじはこんな感じです。


秋田市沖に出現した大怪獣に対抗できるのは、人々の郷土愛をエネルギーに換えて動く巨大ロボット「ヤルガンガーV」だけだ!警備会社「株式会社みまもりくん」の会議室に集められた「やるやる課」のメンバーの中から、操縦者を選出することに…』


舞台は「株式会社みまもりくん」の会議室。最初から最後まで、ずっと会議室。場面転換することはありません。そしてそこに登場するのは「株式会社みまもりくん」の社員5人のみ。この5人による会話と、会議室からの出入りだけですべてが進行していきます。それでは大怪獣やヤルガンガーVは出て来ないのか、というと、出てくるんです。登場します、見ている観客それぞれの頭の中に!

落語は話一つで観客の頭の中に映像を作り出すといいますが、それの拡大版だなと思って見ていました。会議室のPCから流れる実況中継の声、ヤルガンガーVを操縦する社員2人の動き、その2人に指示を出す他の社員の声。地元秋田市が舞台ですから地理がわかることもあって、見事に県庁前から歩き出すヤルガンガーVの姿、蛭根の歩道橋をまたぎこす姿、セリオンを壊す怪獣の姿が見えるのです。もちろん最後は大激闘となります。すごいな、会議室に5人の男女がいるだけでこんなスペクタクルが表現できるなんて。
しかも、そのスペクタクルに至るまでの間に、会議室の5人の間の人間臭い関係が明かされて行きます。浮気あり純愛あり…。さらに秋田県についてのミニクイズあり箱もの行政への皮肉あり、盛りだくさんだなぁ。
笑って楽しんだ90分でした。特にオタク女・穂積役の佐藤らん子さんのはつらつとした演技、良かったなぁ。「やるやる課」課長・藤盛さんのとぼけた感じも良かった。元気もらいました。秋田、おもしろいよ。


3時過ぎに終ると、大急ぎでホテルメトロポリタンへ。3時から開かれていた政治集会「てらたしずかと語らう会」に向いました。


会場はもう人でいっぱい。ロビーにも人があふれていてびっくりしました。むりやり会場に入って立ち見をしましたが、すぐ目の前に知人がいたのにもびっくり。あらあなたも?とお相手にも驚かれてしまいました。
遅れて会場に入ったものの、ちょうどしずかさんのスピーチが始まるところで、そのお話ぶりを聞くことができて良かったです。主張内容はfacebookなどで読んでいますので目新しいことはありませんが、まじめにしっかりと悩みながら考えていらっしゃるのがよく伝わりました。平坦な道を歩んできたわけでない子育て中の女性。こういう方にこそ、ぜひぜひがんばっていただきたいと思います。

 

しかし、さすがに人の集まる場所2カ所の梯子はこたえました。会場の大小はあれ、どちらも前に立って演じたりスピーチする人のエネルギーとそれを受け止める観衆のエネルギーが渦巻いていて、それにもみくちゃにされてしまいました。今の私にはちょっと刺激が強すぎました。できたら寄ってみるかなと思っていた県展はパス。無理。


それにしても、表現しようとする人ってすごいですね。動こうとする人って力強いですね。そういう人たちが活動していて、それをまた受け止める人がこんなにいて、秋田も捨てたもんじゃないんだと、嬉しい気持ちになりました。私も少しずつエネルギーを蓄えていきましょう、いつかそれを放出できる日がくるまであわてずあせらずじっくりと。