続・脱力日記

描いたり作ったりしてる人のダラダラ日記

大事なまとめ

いつまでも終わったイベントの余韻にひたっている場合じゃないし
事業報告書も役場に提出し終えたことだし
自分の中での総まとめ的感想をメモして今回のことは終了とします。


対談の時に、ちゃんと言っておきたかったことは
この作品は、日舞の静蘭先生とCG制作の黒川さんの表現欲が
がっぷり四つでできたものだってことだったんだよね。
でも、言い損ねたな。うまく頭の中で言葉がまとまんないまま
対談が終わっちゃった。がっくり。


どういうことかと言うと。
作品全体の構成案は静蘭先生のものだったし、
何を主題として踊りたいかというのも静蘭先生の気持が
まずありきだったけれども。
そこから先、その抽象的な主題とそれにそったキーワードだけをたよりに
どんな映像を造るかは全く黒川さんにまかされていたんだよね。
先生がこうしてああしてって、映像の中身を具体的に決めることはなかった。
できた映像を見て、そこから先生が自分の振りを決めたんだもの。
これはすごいことだと思うよ。
映像と踊りが五分五分だったんだもの。
しかもそれで本番一発(映像が完全にできたのはまさに当日朝だったからね)
一つの作品として違和感なくまとまるってすごいよ。
確かに静蘭先生の技術と胆力というのは半端ないと思ったけど
それに負けない映像をあの短期間に作り上げた黒川さんも半端ないと
本当に心底思ったです。
ケツの決まっているところで、それにあわせて
どれだけエネルギーを凝縮させ、集中させ、最後に解放することができるか。
これはもう「プロ」ってこういうことだ、としか言えません。
制作過程のお二人の格好良さっぷりは、ほれぼれもんでした。
このあたりの事情で感動できるというのは、主催者特権ですね。役得。


また、この対談の時に、感想を述べてくださった めた朗さんがすばらしかった。
CGに合わせて踊る先生がすばらしいという感想だったんだけれども。
普通の人は機械が人間にあわせるよう要求するけれども、
機械とかコンピューター(デジタル)というものは、
人間とちがって融通がきかないものなんだ、と。
だから、融通の利く人間の方が機械に合わせていくのが
理にかなっているわけで、でもなかなか普通の人はそこを理解できない。
それなのに先生は、すっとCG(デジタル)にあわせて踊っていて、すばらしいと。
そんな感じのことだったと思う。


この感想に対して静蘭先生も、我が意を得たりという感じだったな。
人と踊る時は、何度も何度も相手と稽古をして、
気を合わせられるようにならなくては踊れないそうで。
けれどCGだと、そういうことは必要ない。
相手は常に同じ動きだからね。
そこでは自分だけが相手に寄り添って合わせていけばいい。
そこがCGと踊る時に面白い所なんだそうです。
そして又、そこに可能性を感じる部分があるらしいです。
このあたりのことになると、私には今ひとつわからんのですが。


あと、すばらしかったのが、AKTニュースのインタビューで
おおよそ以下のように答えてくださった方。
「CGと日舞との組み合わせということで、やっていることは前衛なのに、
できあがったものは古典だというところが面白かった」
これ、これ。こういうことですよね。
実はこの方知人なのですが、何の予備知識もなく見ていただいたのに、
ちゃんと見て欲しいところを見てくださっていることにびっくり。
さすがに、長く芝居に関わっている方は違うなぁ・・・。


というように、きちんと見てくださる観客に恵まれたというのも
大変にありがたいことでした。
初めての試みが、こんなに良い形で終えられたことは
本当に幸せでした。
さて、この経験を何にどう生かすのか。
それがこれからの課題ですね。精進します。


魁新報の記事の切り抜きも載せておきます。

09_新聞記事より

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