続・脱力日記

描いたり作ったりしてる人のダラダラ日記

胸をつかれる。

ちょっと調べ物をしていたら、こんな詩にぶつかりました。

 「粥」

ここにして これあり
これぞ この米のかゆ
はろばろと数千里
よよあし原みづほの国のみたからだ
ひととせを汗にまみれて
磨き上げたる 真珠宝石
わだつみの逆巻く潮を
のりきりて
いのちに代へて海軍さんの
護り来し神のたまもの
敵機の下をころびて
雨なすたまの中はひつ
汲みたる水を 飯盒にいれ
爆撃ごとに火を消して
去りては又焚きつけ
つとめて煙出さぬごとく
ねじり鉢巻して焚き上げたる
この味は二つなし
いささかの塩っぱい海水に
とぎしたのも
(わが涙までまじりしならじ)
いざ喰らへ
わが戦友(とも)よ
喰はで死にし
わが戦友(とも)よ
これぞこの米の粥ぞ 

先だって「総員玉砕せよ!」を読んだばかりなので
胸をつかれてしまいました。
解説は↓こちらにありますが、
http://blog.fight-web.jp/archive/2005/08/post_5.html
過酷な最前線にいてなお詩を紡ぐ人のいることに
深く重いものを感じます。
1972年に発行された「定本・ガダルカナル戦詩集」創樹社刊
に「創作・発表覚え書」を寄せられているようですから
無事に復員されたと考えてよいのでしょうか。
それにしてはちょっと検索しても復員後の
この方のことはわかりません。・・・気になるなぁ。