続・脱力日記

描いたり作ったりしてる人のダラダラ日記

神様のプレゼント その2。

交通量がしこたま少ない北東北内陸部の高速道路のパーキングエリアにて
間抜けにもキーを閉じ込め、車からきっぱりと閉め出された夫婦二人。
取材の約束時間は刻々と迫る。公衆電話は目の前にあっても財布は車の中。
携帯電話?もちろん二つとも車の中。
さて、どうしたものか!


夫がまずしたことは、
なんとそのあたりをうろついて針金を探すことでした!
窓ガラスの隙間から針金を差し込み、ドアのロックボタンに
これをひっかけて引っ張り上げようという考えらしいです。
いや、普通に考えてそれは無理でしょ?
窓ガラスの隙間から差し込むのはともかく
あの硬めのボタンに引っかけてさらにそれを引っ張り上げるって
難易度高過ぎますよ、その技!


それよりむしろ・・・
私たちの他にたまたま一台だけ停まっていた乗用車。
運転席には男性が一人、携帯電話で話をしているじゃありませんか。
あの人に頼んで携帯を貸して貰ったら???
とナイス提案をしたんですが、夫は却下するんですよね。
あくまでも針金で自力更正するおつもり。


夫がそういうのなら妻は従うのみ。
針金なんかないと思うよ〜といいつつ、
救いの神だったかもしれないたった一台の乗用車が
パーキングエリアを出ていくのを見送る。ああ涙の夫唱婦随。


乗用車が出ていってしまったので、広い駐車スペースに
車は我がデリカのみ。
人影はもちろん私たち二人だけ・・・。と、思ったら。
どこから湧いてでてきたのでしょう。
制服を着た清掃のおばさんが一人、掃き掃除をしているではありませんか。
いや、今の今までいなかったでしょ?どこに隠れていたの???
というかこんな人のいないパーキングエリアでそんなにまじめに
掃除して歩いているなんて。ちょっと感動。
でも、その人件費ってどうなの?とかも微妙に思ったり。


ともあれ、夫はここぞとばかりに、針金ありませんかと聞きにいく。
って、別のこと聞いた方がよくない???
だって答は決まってるもの。針金なんてありません。
真面目なお掃除おばさんが始終掃除しているパーキングエリアに
そんな大きなゴミが散らかってるわけないですよ。


事ここに至って夫もついに観念したね。
そう、意を決して電話に向かって行ったのでした。


そうなんです!
パーキングエリアには、普通の公衆電話の他に
緊急用の無料電話、いわゆる非常電話があるんですよ!!!
一台だけいた乗用車が出て行った後に気がついたんですけどね。
それなら見つけた時点でさっさと電話しろよって話なんですが。
でも、電話をするということはすなわちJAFを呼ぶってことでして。
いや、そりゃあ会員ならさっさと呼びますよ。会員ならね。
でも会員じゃないんですよ、私たち。
会員じゃないってことは、出費を覚悟しなきゃいけないってことです。
それもそれなりにまとまった額の。。。


つまりあの針金探しの悪あがきは
懐への大きな打撃を少しでも回避しようという必死の努力だったわけ。
が、とうとう覚悟を決めた夫はついに非常電話の受話器を取り上げたのでした。
それにしても、取材先にはちゃんと約束の時間にたどりつけるのでしょうか。
なによりも、一体幾ら請求されるのでしょう。
ただただ広いパーキングエリアの片隅で高まる不安に空をあおぐ私でありました。

          無駄につづく。